バイクの お話84

  昔、アメリカである人が日用品をガレージに並べて安く売ってました。たまたまのぞいていたボブさんという人は、陳列されていた商品には興味がわかなかったのですが、ガレージの奥にある埃のかぶったバイクに目がとまったのです。それは動かなくなった大型バイク、ハーレーダビッドソンでした。修理するには古すぎるのでゴミの回収業者に三千円で引き取ってもらうことになっていたのです。ボブさんは三千円を払って、それを押して帰りました。そして分解修理に取り掛かり、交換部品を取り寄せるためにハーレーの工場に電話したんです。製造ナンバーを告げると、担当者が突然どういうわけか戸惑い、そして「後でこちらから掛け直すので、しばらく待っていてほしい」と言うのです。ボブさんはなかなかかかって来ない電話を前に、ひょっとしたら犯罪に巻き込まれてしまったのではないかと心配になってきます。
 ようやく掛けてきたのはハーレー本社の重役でした。彼は言いました。「サドルシートをめくって何か文字が書いてないか確かめてほしい」と。ボブさんが見ると「ザ・キング」と書いてあるのです。すると重役は突然声をひそめてこう言ったんですね。「あなたの持っているハーレーを三千万円で売ってくれませんか。」彼は驚愕しながら、「少し考えさせて欲しい」と電話をいったん切ります。すると今度は別のところからまた電話が入ります。何とそのバイクを六千万円で売ってほしいというのです。ボブさんは聞きました。「スクラップ同然のこのおんぼろバイクに、どうしてそんな高値を付けるのですか」と。すると答えがありました。「あなたの持っているそのハーレーは、ロックスター、エルビス・プレスリーの愛車なんです。」実にこのポンコツこそは、プレスリーのファンが長年にわたって探し続けて来たお宝バイクだったと言うのです。そんなお宝がどうしてスクラップ寸前にまで落ちぶれてしまっていたのでしょう。持ち主の手を離れ、転売に転売を重ねていくうちに、誰のものだかすっかり忘れ去られ、次第に乱暴に扱われてゴミ同然の姿に成り果てていたのです。しかし
、どんなに鉄くずのようになっていたとしても、ファンにとっては世界に一台きりの宝物です。なぜならそのバイクには偉大なるロックシンガーのサインが入っているからです。

インターネットラジオ 聖書と福音 2013年4月21日の放送から抜粋しました。
驚きですね。有名人が愛用したバイクを偶然に手に入れてから 信じられない値段でのオファーなど…。宝くじに当籤するより難しいですね。