プライム SP3

        韓国のバイク雑誌より74
PRAEMは プレミアムの語源になる ラテン語から出来た名前である。プライムは 2014年に設立され この度SP3で初めて世の中に名前を知らしめた。フランスを基盤とし BMWモトラッド デザイナー出身のSylvain Berneronと 彼の弟であると同時にフランス軍 航空整備士出身のFlorent Berneron兄弟が共に設立した会社である。兄は7歳 弟は5歳から モトクロスを始めてバイクに乗ってきたライダー兄弟で 各自の領域で経験を積んだ後 彼等自身のモーターサイクルを作ろうとプライムを設立した。

プライムの最初の作品SP3は ホンダの ヨーロッパ名 RC51(日本名VTR1000 アメリカ名RVT1000Rで 発売したVツイン スーパーバイク 2000から2006年生産)をベースにした。コーリン エドワーズが乗ってSBK 2年連続優勝に輝いたマシンである。
非常に細いワイヤーがフェアリングとなり クラシックさと未来的な雰囲気が似合ったデザインの吸引力に驚く。他のカスタムビルダーとの違いは 単純に カスタムバイクを上手に作ったというので終わるのでなく ロゴからして全体的ブランドコーディネーションの実力が相当なものである。
プライムの哲学の基本は オリジナルマシンのパフォーマンスを落とさぬところにある。カスタムは レーシング純正ジオメトリーを基本とし守りながら作業に至る。サスペンションは オールブラックの オーリンズFGR300に 超軽量のカーボンホイールとブレンボ484キャリパーにカーボンセラミックディスクを組み合わせた。ブラックで統一されたパーツが醸し出すカリスマが凄い。
薄いアルミニウムのワイヤーで表現したフロントフェアリングとシートレールのデザインは 韓国人の彫刻家パク スンモ作家の作品から霊感を得たと明かした。ただ デザインだけでなく空気の流れをワイヤーを利用して調節する。前面は ラムエア システムで流入されてラジエターの熱気は側面に排出することが出来る。12リットルの燃料タンクは新たに作った物で タンクの下に空間を作ってリアシリンダーが過熱するのを防いでいる。出力は165馬力、トルクは125ニュートンを出して 乾燥重量は180キロだ。作業時間は4000余時間が掛かった。
また もう一つ 独特な点は 燃料タンクの上に計器盤の様に見えるのは タグホイヤーモナコを そのまま収納出来るホルダーである。タグホイヤーが考える価値に釣り合うブランドだと思って 共に作業したという。最初の作品から注目されてデビューした兄弟。彼等のウェブサイトを通じて順次 公開する作品を予告しながら 期待を高めていて これからの広報が より一層に注目される。
モーターバイク誌2016年2月号より

※このカウリングは 何?と思って 記事を読めば、なんと 驚いた事に ワイヤーでした。一見 目の粗い繊維で形成したのかとも思いましたがね。世の中には 新たな発想でカスタムバイクを生み出す カスタムビルダーが存在するのですね。



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